人生の成功と失敗を決める鍵は、若い頃の
「ある経験」
にあります。
成功者と犯罪者
罪を犯す人には、大きく分けて2つのタイプがあるとされています。
1つは
「根っからの犯罪者」。
生まれつき悪事を行うことに罪悪感を持たない、稀な存在です。
もう1つは、
「非常に真面目で、思いつめやすく、自分の期待や理想と異なる現実や他人の考えを受け入れるのが苦手な人々」
です。
後者のタイプが圧倒的に多いです。
このタイプの人々は、非常に真面目であるが、プレッシャーに弱く、固執する性格です。
ルールや相場観を知識・情報として理解できても、自分の考えと衝突する内容は、耳に入りません。
その結果、自分の
「正義」
を優先するあまり、法を超える行動に至る場合があります。
実は、このタイプは、成功する人間も多いのです。
成功者と犯罪者をわける「分水嶺」
犯罪者と成功者は、紙一重です。
その分水嶺は何だと思いますか。
犯罪者と成功者を分けるのは、
「若いころの、破滅に至らない程度の、失敗経験」
です。
この失敗経験こそが、成功へと導く鍵となります。
若い頃の失敗が成長を導く
受験でも恋愛でも、人間関係でも、どの分野でも何でもいいのです。
自分の想定とは違う現実を突きつけられ、
「自分の希望や理想や妄想がいつも願いどおり叶えられるというわけではない」
ということを、頭で理解するのではなく、実感として心の奥底から体得することです。
自分の理想や信念だけで突き進むのではなく、失敗をとおして現実を受け入れる力を身に付け、現実と折り合いをつけながら生きる力が培われていきます。
破滅に至らない程度の失敗であれば、それが学びとなり、柔軟さと現実対応力を養うきっかけになります。
破滅に至るような失敗をすると、立ち直れなくなります。
失敗を避けた人生の危険性
逆に、若い頃に大きな失敗を経験せず、すべてが順調に進んだ場合、どのようなリスクがあるでしょうか。
それは、年を取ってから、重要な場面で想定外の失敗に直面したときに表れます。
失敗に慣れていない人は、次のようなミスを犯す可能性があります。
・世間やルール、相場観を誤解する
・状況を見誤る
・保険をかけ忘れたり、予備の計画を持たずに危険で冒険的な決断をする
・撤退や方向転換のタイミングを誤る
こうした判断ミスは、時として大きな失敗を引き起こします。
そして、その失敗を無理に取り戻そうとするあまり、法を犯したり他者に迷惑をかけたりすることになり、その結果、財産や信用や人間関係を含め、人生にとって重要なものを“すべて失う”危険にさらされるのです。
強く生き抜くために必要な視点
自分が間違うことも計算に入れておきましょう。
「最善を目指しつつも、冷静に最悪のシナリオを想定する」
このバランス感覚が、しなやかで強い人間を育てるのです。
犯罪者と成功者を分ける紙一重の違い。
それは、
「若いころの、破滅に至らない程度の、失敗経験」
なのです。
失敗経験は、豊かな才能と大きなエネルギーを有する若者を成功者に導きます。
若い頃に失敗を経験し、それを乗り越える中で現実の厳しさと自分の限界を学ぶことで、有能で、タフで、しぶとく生き残る、本当に強靭な人間に成長できるのです。
著:畑中鐵丸