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経済界連載「鐵丸弁護士直伝!勝ち組企業養成講座」

其ノ拾六「輸出ビジネスの落とし穴に気をつけろ!」

今回の相談者

コスゲ・インターナショナル社 副社長 ケイン・小菅(32歳)

相談内容

 鐵丸先生、アケマシテ、オメデトウゴザイマス。
 日本にキテ13年にナリマスが、まだ、日本語、チョト、難しいネー。
 近くのホテルで、アレです、ソノ、ガキ強姦じゃなかった、鍵交換でもなかった、ソ、ソ、ソ、ソレソレ、賀詞交歓会がアリマシタので、チョト、新年のご挨拶方々、立ち寄らせていただきました。
 景気も回復し、ウチの会社のメインビジネスの日本製品の輸出もグロウイング・エン・グロウイング。
 ま、特に先生のお世話になることナイケド、近況を、チョト、お話ししますね。
 私のダディの、CEO、シャッ長の、ジョー・小菅は、昨年からずーと中東なんすよ。
 昔、ダディがロスで空手を教えていたころの教え子の中東の某国の留学生が、母国に帰って商売始めたんですよ。
 なんか、日本製品をスゲー欲しがっていて、ちょうど、ウチの会社もインターナショナル・トレーディングやってるもんすから、トントン拍子に話が進んで、ま、今年の終わりにはウチのメジャー・カスタマーになりますよ。
 ま、彼の母国は、今、チョト、「テロ支援国家と関係あるんじゃないか」なんて話題になっていますが、彼自身は、スゲーいいヤツですし、ノー・プロブレムですよ。
 売ってくれって言っているのも、ゴルフクラブとか、シャンプーとか、自動車部品工作用機器とか、インスタントコーヒー製造用装置とかで、人殺せるようなものなんかないですし。
 ま、そんな感じで、今年も、先生のお世話にならず、プリティ・クールな年になりそうデスヨ。

其ノ拾七「債権譲渡のお作法」

今回の相談者

株式会社135R 会長 長谷川君彦(51歳)

相談内容

 おう、鐵丸先生、元気か。
 相変わらず、調子よさそうよのぅ。儲けまくってるそうやんけ。
今日は、ちょっと相談乗ってんか。
 ゆうても、相談ちゅうほどのことでもないんやけどな。
 先生、島田和七(しまだわしち)ちゅう漫才師覚えているか?そうそう、あの、声のでかいヤツや。俺、あいつと知り合いなんや。あいつが売れんようになったころに、1000万円ほど貸してやったんや。
 ちょこちょこ返してきよって、元本700万円になってるんやけどその後まだチンタラ返すようなことゆうてけつかる。さすがに「ええ加減、耳そろえて返せ」ちゅうことゆうたら、「カネないんやけど、債権もってるさかい、これで堪忍してくれ」ゆうて、なんや借用書もってきよった。
 どうやら、和七が、大阪にいる漫才師仲間の「中田カフン」ちゅうヤツに500万円貸しとったらしい。俺に借りたカネ返さんと、知り合いにカネ貸しとってん。ええ根性しとるで、ほんまに。
 和七もカフンもあんましカネもっとらんみたいやけど、カフンの方は、なんや、今度家に道路ができるゆうことで、結構な立退料もらうらしい。ゆうても、カフンは根っからの博打好きで、何時カネがなくなるかわからん。
カフンがまだカネもっとる間に、和七から手に入れた借用書もって、取り立て行こう思てんねん。ああ、もちろん金属バットもってなんかいかんよ。あくまでジェントルマンとして払おうてもらうんや。
 なんか、気ぃ付けとくことあるか。

其ノ拾八「ブラックジャーナリスト撃退法」

今回の相談者

株式会社ナチュラル・イースト 社長 国原 比嘉志(49歳)

相談内容

 鐵丸先生、寒いっすよねぇ。
 いや、どうもこうも、参っちゃって。今日は、いつものようなビジネスや契約の話じゃないんですよ。
 こんな恥ずかしい話、先生しか相談乗れなくて。
 いえね、この前、ちょっと魔が差して、17歳の女の子とちょっと遊んでたところ、警察に厄介になりまして。といっても、私自身、彼女がまさか未成年なんて思ってなかったこともあって、先生にお世話にならず、事情聴取だけで釈放されたんですよ。
 それで、済んだと思ってたら、昨日、なんか知らないオッサンが、会社の周りうろちょろしてて、いきなり「国原さんですか」なんて呼びかけれて名刺わたされたんです。
 名刺には、「独立通信社 ジャーナリスト 馬喰 一徹(ばくろ いってつ)」なんて肩書が書いてあり、「この前、逮捕されたそうですが、そのことについてお伺いしたい」なんて聞いてくる。
 とりあえず、「何のことかわからない」と言って、あわててオフィスに入って、その日は裏口から帰宅したんですが、今朝、総務部長に外を確認させたら、またオフィスの前にいるらしい。
 共同通信社ってのは知っているけど、独立通信社なんて聞いたこともないですが、万が一、こんなことが表沙汰になったら、女性向けの化粧品や 健康食品を売っている我が社は、売り上げが激減して、倒産です。
 先生、どうしたらいいんでしょうか。

其ノ拾九「借りた店舗に抵当権が付いていた!」

今回の相談者

株式会社ねじねじ 社長 長尾 彬(64歳)

相談内容

 おう、鐵丸先生、元気かい。
 これ、ウチが今度売り出した「ねじりネクタイ」さ。もうバカ売れでさ。3年前発売した「ねじりマフラー」なんて目じゃないね。え、縄でクビくくってるみたいで縁起悪いって?
 冗談言っちゃいけねえよ。このネクタイ、1本2万円もするんだぜ。そんなことより、ちょいと、相談に乗ってほしいことがあるんだよ。
 ウチの会社さ、今、銀行からばんばんカネ集めて、販売店舗増やしているわけさ。そいでさ、昨年さ、六本木に一店出したわけさ。ま、そこそこ売り上げてるんだけどさ、ウチの店舗は、内装を全部「ねじり」のイメージで統一してるからさ、半端じゃなくカネ掛かるわけでさ、トータルではまだ利益が出てないわけさ。
 そしたら、この間、武田銀行が店にやってきやがって、「銀行はこのビルに抵当権を持っており、オーナーの返済が半年近く滞っているので、競売にかけます。早めに出てってください」なんてぬかしやがる。
 冗談じゃないよ。ウチは正当な借地権持ってんだから、ぜってぇ出ていかねぇからな。

其ノ弐拾「敵対的買収防衛策を過信するな!」

今回の相談者

株式会社幸福ラーメン 社長 小島 卓造(59歳)

相談内容

 鐵丸先生、今日はいつも帯同させる専務を連れずに参りました。ウチの専務はメーンバンクから来たのですが、当社上場後も役員として居着いてしまったんです。東大出ということもあり、総務、法務や経営企画等の小難しい業務は、事実上彼がすべて仕切っています。
 先日の役員会で、専務が、いきなり「わが社は敵対的買収の危機にさらされている」と切り出し、延々と話し出しました。どれも新聞に書かれている程度の情報でしたが、最後に「わが社は買収防衛策を導入すべきである。出身元の銀行傘下のコンサルティング会社にコーディネートをお願いし、著名法律事務所に依頼し、事前警告型の買収防衛策を導入したい。上限予算1億円で、私に全権をゆだねていただきたい」という話になったんです。
 古参役員はどいつも小難しい話はダメで、賛成しそうになりました。ですが、私はコンサルティング会社なんてこれっぽっちも信用していないし、第一、額もべらぼうに高い。「取りあえず顧問の鐵丸弁護士に話を聞いてからにしたい」と言って継続審議としました。専務は、同じ東大出の鐵丸先生に妙な対抗意識があるようです。
 さて、今日は専務抜きで忌憚のないご意見を頂戴したいと思います。