若い世代の離婚率が一貫して増加傾向にあるようです。
この 理由について、私は、
「特に、女性にとって、悪い方向での想定外が連続するから」
という状況によるもの、と推察します。
シンデレラというお話をご存じでしょうか?
作者は、ウォルト・ディズニーというアメリカ人ではありません(シンデレラも白雪姫も美女と野獣も眠りの森の美女もポカホンタスもムーランも、ウォルト・ディズニーが創作した物語ではありません。彼のオリジナルは、ネズミのキャラクターくらいで、ディズニーの作品のほとんどは、他人が創作した物語をベースにしています。だけど、そのくせ、自分たちのコンテンツが勝手に使われたりすることには、尋常ないくらい攻撃的になるようです)。
グリムという北欧の童話作家です。
物語をざっくりかいつまんで言うと、
・ボロを着て、カネも余裕もなく、炊事・洗濯・ムカつくガキの世話等、毎日
毎日家事全般させられ、休む間もない赤貧生活をしていた不幸な女性が、
・やがて、悲惨な現実の世界」から「ロマン満ち溢れる世界」へ段階的に移行していき、
・最期は、壮大な結婚式を挙げ、皆の祝福を受け、幸せの頂点に到達する、
という話です。
ところが、日本の若い女性が体験する一般的な結婚生活というのは、この
「シンデレラ・ストーリー」
の、見事なまでの“逆回転バージョン”です。
すなわち、
・出会ってまもなく、壮大な結婚式を挙げ、皆の祝福を受け、幸せの頂点に到
達した女性が、
・やがて、「ロマン満ち溢れる世界」から「悲惨な現実の世界」へ段階的に移
行していき、
・何年か後には、ボロを着て、カネも余裕もなく、炊事・洗濯・ムカつくガキ
の世話等、毎日毎日家事全般させられ、休む間もない赤貧生活に陥る
という、悪い意味での想定外の連続で、幸せの絶頂から不幸のどん底に至る、逆シンデレラ・ストーリーを経験します。
こういうことがあると、離婚したくなるのも、うなずけます。
とはいえ、
出会った当初、
「ボロを着て、カネも余裕もなく、炊事・洗濯・ムカつくガキの世話等、毎日
毎日家事全般させられ、休む間もない赤貧生活」
から始める、
というのも難しいですし、
結婚後も、幸福水準を維持するため、毎日、壮大な結婚式のようなパーティー三昧を続ける、
というのももっと困難です。
この現象は、 構造的欠陥によるであり、誰か責める相手がいるわけではなく、想像力を働かせれば予測できなくもないものです。
映画で観た
「シンデレラ」
の話と違う、こんな逆シンデレラ・ストーリーなど許せない、こんな現実我慢できない、裏切られた、といって一方的にキレて、離婚するのも結構です。
しかし、そうやって離婚を重ねるたびに、ますます不幸になりますので、私からのアドバイスとしては、結婚をする際は、空想と現実を区別する程度の理性をもち、想像力を働かしてある程度将来予測を立てながら、適切な判断の下、冷静に行ってほしいと思います。