00078_苛酷な社会を生き抜くための「正しい非常識」6_(4)何事も目的をはっきりさせるべし(ⅳ)_畑中鐵丸流「楽しい人生」の定義・その2:健康であること_20180920

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本コンテンツシリーズにおいては、個人で商売する方や、資産家や投資家や企業のオーナー経営者の方、出世して成功しようという意欲に燃える若い方、言い換えれば、「お金持ちや小金持ち、あるいはこれを目指す野心家の方々」へのリテラシー啓蒙として、「ビジネス弁護士として、無駄に四半世紀ほど、カネや欲にまつわるエゴの衝突の最前線を歩んできた、認知度も好感度もイマイチの、畑中鐵丸」の矮小にして独善的な知識と経験に基づく、処世のための「正しい非常識」をいくつか記しておたいと思います。
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企業や国家運営は言うに及ばず仕事の上でも、私生活においても、処世全般においても、物事の目的を明確にすることは重要です

そして、
「人生」
という、この世のすべての方にとって
「もっとも、重大で重要なプロジェクト」
についても、当然、目的をはっきりさせるべき、という話をさせていただきました。

私個人としても、人生を送る上での目的というものをはっきり、くっきり、明確に堅持しています。

いえ、そんなに、気色ばんで、眦決して吠えるほど、志の高いものではありません。

私の人生において、究極の目的は、
「人生を楽しむこと」
です。

では
「楽しい人生」
とはなんぞや、その定義はどうなっているんだ、という具体論をお話ししております。

無論、生きる目的は、ひとそれぞれで、いろいろ異論はあるでしょうが、知性と教養と思考力をフル回転してたどり着いた、普遍的で、みなさんにも納得できるような形で整理した、私なりの
「楽しい人生」
の定義を紹介しております。

私の定義する
「楽しい人生」
については、自由であること(その1)に加え、その2、
「健康であること」
も内包すべき要素として必須です。

すなわち、美容と健康を保つことも
「楽しい人生」
には必須です。

世の中には、仕事や、志のために、美容と健康を犠牲にする方や、さらには、入院したり、病気で死ぬまで、頑張る方がいらっしゃいます。

それって、人生の目的をしっかり考えられて、人生設計されているんでしょうか?

目的合理性という点で、相当混乱されているのではないでしょうか?

美容と健康を損ねてまで、果たすべき仕事や、志って、私にはまったく想像できません。

とはいえ、バランスも大事ですね。

「健康のことがことのほか大事で、健康のためなら、あらゆる犠牲を厭わず、健康を追求する」
という、度の過ぎた健康オタクという人種がいらっしゃるようです。

その方々の口癖は、
「健康のためなら死んでもいい」。

無論、健康も重要ですが、
「健康を求めて、健康を害するぐらいストイックな人生を送る」
というのも不健全です。

ちなみに、
「健康のためなら死んでもいい」
という人生訓を実践して、本当に、健康をストイックに追求して死んだ人がいます(この話をすると、まず、「ウソやろ」というツッコミが入ります)。

マッスル北村こと北村克己氏です。

東京大学理科II類に入学して中退後、さらに東京医科歯科大学医学部入学するという学歴エリート街道を突っ走りながら、ボディビルにのめり込み医者の道をあきらめ、WABBA 太平洋世界選手権総合優勝などの輝かしい成績を収めた伝説のボディビルダーですが、2000年8月3日、ボディビルの世界選手権に参加するべく、脂肪を極限まで落とすために20kgの急な減量を行った結果、異常な低血糖状態となり、急性心不全を引き起こし死亡されました(享年39歳)。

亡くなる数日前にも北村は倒れて救急車で運ばれており、この時は処置が間に合い、一命を取り留めていたものの、
「めまいがしたら飴を舐めて。飴1個でいいから」
と心配して懇願する妹さんに対して
「僕は、そんなわずかなカロリーすら摂取したくないんだ」
と断るストイックぶりで拒絶し、その結果、壮絶な最期を遂げられました。

「『健康のためなら死んでもいい』とか言うけど、ホンマに死んだ奴、おらんやろ」
とか思っておられる皆さん、ホンマに
「健康のために死んだ人」
いるんでございますよ。

ちなみに、この
「健康のためなら死んでもいい」
の亜種として、
「平和が大好き。平和こそすべて。平和が好きで好きでたまらなく、寝ても覚めても平和のことを考え、行動し、また、平和実現のためにはあらゆる障害をものともせず積極的に行動する」
という方もいらっしゃいます。

そんな方々をみていると、
「平和のためなら、戦争も辞さない」
という勢いで過激な行動をされることもあるようです。

こちらも、方向性とバランスを著しく喪失しているような気がします。

「健康な人生」
の中身ですが、フィジカルな健康に加え、
「精神的健康」
を維持することも重要です。

「死ぬよりツラいのは、自分にウソをついて生きること」。

これはある映画で、性同一性障害の方がおっしゃった述懐です。

私は、幸いこの種の障害とは無縁ですが、言いたいことやお気持ちは何となく、わかります。

自分にウソをつかず、自分らしく生きることは、精神を健康に保つ上で絶対的に重要だと思います。

すなわち、
「精神を健康に保つ」
ということは、
「生きることそのもの」
だといえるのではないでしょうか。

精神的健康を害すると、体内に悪質なストレスがたまり、血がドロドロになって、代謝が不活発になり、3ヶ月に1歳年をとり、免疫が低下し、がん細胞が増殖し、美容・健康を害しはじめ、肌が荒れ、終には悪相になります。

政治家や犯罪者が、みな同じような顔をして、同じように不健康で、同じように良い死に方をしないのは、他人にも、家族にも、自分にも、ウソをついて、偽った人生を送っておられるからではないでしょうか。

いずれにせよ、美容と、肉体的健康と、精神的健康とを大事にすることは、
「楽しい人生を送る」
ためには、必須の要素となると思います。

著:畑中鐵丸

初出:『筆鋒鋭利』No.133-2、「ポリスマガジン」誌、2018年9月号(2018年8月20日発売)

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