<要約>
意思決定の本質はトレードオフ。
誰かから嫌われる みんなに好かれるのは意思決定を避けている、ということ。
そして、それは、トップとして、経営者として、全く仕事をしていない、価値を創出していないことを意味する。
要するに
「経営者やリーダーの仕事は嫌われること」
「孤独であり、村八分されること」
である。
はじめに
意思決定とは、リーダーや経営者にとって避けられないものであり、その本質には、トレードオフが存在します。
トレードオフとは、ある選択をすることで別の選択肢を放棄しなければならない状況を指します。
このような状況では、必ず誰かが利益を得る一方で、他の誰かが不利益を被ることになります。
すべての人に好かれることを目指すリーダーは、実際には意思決定を避けていると言えます。
そして、それは経営者としての責任を果たしていないことを意味します。
この記事では、意思決定におけるトレードオフの重要性と、リーダーが嫌われることの意義について考察します。
トレードオフの不可避性
意思決定のプロセスにおいて、リーダーは常に複数の選択肢の中から最適なものを選ばなければなりません。
しかし、全ての選択肢が等しく魅力的であることは稀であり、必ず何かを犠牲にする必要があります。
例えば、新しい製品を開発するために予算を増やすことは、他のプロジェクトへの資金を削ることを意味します。
また、人員を増やすために採用を進めることは、現行のスタッフの昇給や福利厚生の充実を遅らせる可能性があります。
このように、意思決定には常にトレードオフが伴うのです。
リーダーの役割と責任
リーダーの役割は、組織全体の利益を最大化するために最善の選択をすることです。
しかし、その選択が全てのメンバーにとって満足のいくものであることは稀です。
例えば、企業の方向性を大きく変える決定を下す際、現状維持を望むメンバーからは反発を受けることが予想されます。
それでも、リーダーは長期的な視点で組織の成長と発展を考えなければなりません。
好かれるリーダーと嫌われるリーダー
全ての人に好かれることを目指すリーダーは、実際には意思決定を避けていると言えます。
これは、何も決めずに現状を維持することが最もリスクの少ない選択肢であるためです。
しかし、このようなアプローチは、組織の成長を妨げる可能性があります。
逆に、明確なビジョンと目標を持ち、それに向けて積極的に行動するリーダーは、一部のメンバーから反発を受けることがあっても、組織全体の利益を考えた意思決定を行うことができます。
つまり、リーダーの仕事は、必然的に、嫌われることを含んでいるのです。
意思決定と価値の創出
リーダーが意思決定を通じて組織に価値を創出するためには、必ずしも全てのメンバーの賛同を得る必要はありません。
むしろ、組織の長期的な成功を目指すためには、時には短期的な不満や反発を受け入れる覚悟が必要です。
例えば、古いビジネスモデルを捨てて新しい技術に投資する決定は、一部の従業員や株主から反対されるかもしれません。
しかし、このような意思決定が将来的に組織にとって大きな利益をもたらす可能性があります。
嫌われることの意義
リーダーが嫌われることを恐れずに意思決定を行うことは、そのリーダーシップの真価を問うものです。
嫌われることを恐れないリーダーは、自分のビジョンや目標に対する確固たる信念を持ち、その実現に向けて行動することができます。
また、このようなリーダーは、組織全体の利益を最優先に考え、個々のメンバーの短期的な不満を超えて、長期的な成功を追求します。
まとめ
意思決定の本質はトレードオフにあり、リーダーや経営者は、その過程で必ず誰かから嫌われることを経験します。
全ての人に好かれることを目指すリーダーは、意思決定を避けることで組織の成長を妨げる可能性があります。
一方で、嫌われることを恐れずに明確なビジョンを持ち、積極的に行動するリーダーは、組織にとって不可欠な存在です。
最終的に、リーダーの仕事は組織全体の利益を考えた意思決定を行うことであり、その過程で嫌われることは避けられないものなのです。
著:畑中鐵丸