人類が誕生してから今日まで、1つだけ確実に変わらないことがあります。
それは、
「不幸」
という存在です。
不幸な人間は常に一定数存在し、さらに不幸の原因を他人のせいにする人間もまた存在します。
この現実がある限り、弁護士という商売は永遠に不滅であり続けるでしょう。
「不幸」
と
「責任転嫁の欲求」
というガソリンがある限り、弁護士というエンジンは永久機関のように動き続けます。
1.社会がある限り「不幸」はなくならない
不幸は、経済的な問題、健康問題、人間関係のトラブルなど、
「社会」
というものが存在する限り、あらゆる形で現れます。
そして、この不幸は避けられないものであり、全ての人が経験するものです。
現代社会においても、この不幸の影響から逃れられる人はほとんどいません。
むしろ、情報の洪水とともに不幸の数は増加しているかもしれません。
不幸は人間の感情の一部であり、幸福がある限り必ずその対極に不幸が存在します。
これが弁護士という職業の基盤を成しているのです。
不幸な出来事が起こるたびに、人々はその解決策を求めて弁護士の助けを必要とします。
2.人間は「責任転嫁」をやめられない
また、不幸の原因を他人のせいにするというのも人間の不幸な性(さが)です。
人は基本的に自分の失敗や不幸を他人のせいにしたがります。
これは自己防衛の一環であり、心理学的にも広く認められている現象です。
他人に責任を押し付けることで、自分自身を守り、自己イメージを維持しようとするのです。
この責任転嫁の性質が、弁護士という職業の需要をさらに高めています。
例えば、交通事故が起きたとき、両者が自分の過失を認めることはほとんどありません。
それぞれが相手の過失を主張し、最終的には裁判所で争われることになります。
ここで弁護士が登場し、依頼人のために戦うのです。
3.弁護士は永遠に不滅です
弁護士は、こうした人々の不幸や責任転嫁の性質を利用してビジネスを展開しています。
不幸な出来事は日常的に発生し、それが原因で法的トラブルが生じます。
さらに、責任転嫁によって問題が複雑化し、法的な専門知識が必要となります。
これらの要因が組み合わさることで、弁護士への需要は絶えず存在するのです。
弁護士の役割は、単に法的問題を解決するだけでなく、依頼人の感情をも扱います。
不幸や怒り、恐怖など、さまざまな感情を抱える依頼人と向き合いながら、その問題を法的に解決するためのサポートを提供します。
この感情面のケアもまた、弁護士の価値を高める要因となっています。
4.現代社会における弁護士の役割
現代社会では、法律がますます複雑化し、多様化しています。
これに伴い、弁護士の役割も進化しています。
例えば、インターネットの普及により、ネット上での誹謗中傷やプライバシー侵害といった新たな法的問題が発生しています。
これらの問題に対応するために、弁護士は常に最新の知識とスキルを持ち続ける必要があります。
また、グローバル化が進む中で、国際的な法的問題も増加しています。
ビジネスのグローバル化に伴い、企業間の国際取引や知的財産権の侵害など、多岐にわたる問題が発生します。
これに対応するために、弁護士は国際法や各国の法律に精通していることが求められます。
5.未来の弁護士像
未来においても、不幸や責任転嫁という人間の性質が変わることはないでしょう。
そのため、弁護士という職業はますます重要性を増すことが予想されます。
AIやテクノロジーの進化により、法的問題の解決方法が変わる可能性があるかもしれません。
AIが法的助言を提供する時代が来るかもしれませんが、人間の感情や複雑な問題を扱うためには、依然として弁護士の存在が必要とされるでしょう。
未来の弁護士は、テクノロジーを駆使して効率的に業務を行いながらも、人間の感情や倫理に寄り添う能力が求められると思います。
まとめ
不幸な人間が絶対数存在し、さらにその不幸の原因を他人のせいにする人間もまた絶対数存在する限り、弁護士という職業は永遠に不滅です。
未来においても、この状況は変わることなく、むしろその重要性は増すばかりです。
不幸と責任転嫁という人間の性質を理解し、それを利用する弁護士は、混迷を深める現代社会にはますますそのニーズが高まっている、といえるかもしれません。
著:畑中鐵丸