畑中鐵丸が、2024年6月29日に放送された
FMラジオ番組 「Radio Leaders」(TOKYO FMグループ/MUSIC BIRD系列)
の対談に出演しました。その前半です。
1. 番組について
ラジオ番組「ラジオリーダーズ」は、
日本全国で活躍するリーダーたちをゲストに迎え、彼らの仕事や人生のターニングポイント、成功と苦労、仕事術などについて深掘りする内容です。
司会は小林咲夏(さっか)さんです。
2. 弁護士を目指すまでの道のり
弁護士を志したのは、遅かったと思います。
法学部に進んだのも、映画で見た弁護士がかっこよかったからというシンプルな理由です(笑)。
大学在学中に司法試験に合格し、なんとなく弁護士の道に進むことになりました。
だから、自分が本当に弁護士に向いているかどうかはわかりませんでした。
その後、ある企業(ラジオでは企業名を言っています)の法務部門で勤務することになり、企業内で法律がどれほど重要な役割を果たすかを目の当たりにしました。
この経験が、現在の企業法務弁護士としての基盤となっています。
3. ニューヨーク州司法試験に挑戦し、アメリカで得たもの
私のキャリアに大きな転機となったのは、アメリカのペンシルベニア大学ロー・スクールに留学した時です。
アメリカでの生活や勉強では、英語の壁が大きな課題でした。
その後ニューヨーク州の司法試験に合格し、600人以上の弁護士が過酷な競争が繰り広げていた大規模な法律事務所に勤めることになりました。
2年ほどの滞在を通して、アメリカの弁護士が法律だけではなくビジネスや経営に関する豊富な知識を持っていることに大きな刺激を受け、そして、また、アメリカの法律文化と日本の違いも学びました。
この経験がわたしの弁護士活動に多大な影響を与え、今に繋がっています。
アメリカで得た、ビジネスと法律を融合させる視点は、私の企業法務弁護士としての強みになっています。
対談では、TOEFLの準備や英語での授業、試験の苦労、アメリカでの法律事務所での衝撃を、振り返っています。
4. 企業法務弁護士
帰国して後、弁護士法人畑中鐵丸法律事務所を設立しました。
企業法務とは、企業活動と法律を橋渡しする役割を担う仕事です。
企業は利益を追求する存在であり、株主からのプレッシャーもあり、常に利益を上げ続けることが求められます。
法律や規制は、企業の自由な活動を妨げることが多く、企業にとってはこれが大きな障害となります。
企業は利益を上げたい、でも法律に従わないと罰則を受けたりトラブルに巻き込まれたりするリスクがあります。
他方で、法律を守り過ぎると今度は利益が落ち、競争力を失う可能性があります。
だからこそ、私たち弁護士がそのバランスを取る役割を果たしています。
弁護士がその間に入り、企業が法律を守りながら効率よくビジネスを進められるようサポートするんです。
5. 企業法務の領域
企業法務には、いくつかの重要な領域があります。
契約書の作成やリスク回避の助言を行う
「予防法務」
は、問題が起こる前にリスクを防ぐための対応です。
問題が発生した場合には、解決を図る
「紛争法務」
があります。
最近注目されているのが
「戦略法務」
という分野です。
戦略法務では、弁護士が企業の経営や意思決定に深く関わり、法律の視点から企業をサポートします。
以前は法律とビジネスが別々に検討されていましたが、今では弁護士がビジネスにも積極的に関与し、取引や経営戦略の構築を支援しています。
6. 企業の利益追求の中で、法律のサポートがいかに重要か
企業が直面するリスクには、労働問題や独占禁止法違反、知的財産権の管理など多岐にわたります。
また、企業間取引(BtoB)や消費者向け取引(BtoC)においても、独特の法的リスクがあります。
企業同士の取引では、価格調整が独占禁止法に抵触しないかを常にチェックする必要がありますし、消費者取引では消費者契約法に基づいた対応が求められます。
こうした多岐にわたる法律の網の目をくぐりながら、いかにして企業の成長を支えるかが、企業法務の奥深さであり、面白さでもあります。
7. 私のスタイル
私が弁護士として心がけているのは、単なる
「法律の専門家」
で終わらないことです。
クライアントのビジネスに深く関わり、最善の解決策を共に探る
「パートナー」
でありたいと考えています。
取締役会の意思決定に関与したり、経営戦略を法的にサポートすることで、クライアントが安心してビジネスを展開できる環境を整えることが、私の役割です。
弁護士として、ただ法律に従うだけでなく、クライアントが成長するための道筋を一緒に描いていくのが私のスタイルです。
https://audee.jp/voice/show/85101
インタビュイー:畑中鐵丸