プロのビジネス弁護士としてやっていくには、法律の知識も勿論必要ですが、それだけでは全く足りません。
「プロのビジネス弁護士が実装しておくべき真の能力」とは、
・課題を発見し、
・課題を仕事に変え、さらに
・その仕事を金に変える力
です。
この能力がなければ、弁護士はただの
「法律に詳しい物知り」
「クイズ法律王」に過ぎません。
課題を発見できる能力
洞察力と観察力
弁護士の重要な能力の1つは
「課題を発見する力」
です。
これは、クライアントが気づいていない潜在的な問題を見つけ出す能力を意味します。
洞察力と観察力と想像力と経験知がここで求められます。
例えば、企業の幹部が
「我々は法的に問題ない」
と自信満々に言っている場合、その裏に潜むリスクを見抜く目を持つことが重要です。
リサーチと情報収集
問題を正確に把握するためには、徹底したリサーチと情報収集が不可欠です。
弁護士は、法的な先例や関連する法律文献、クライアントの過去の事例などを調査します。
それだけでは不十分です。
真の価値ある法的助言は、本に載っていませんし、載っていてもわかりにくく、本質から遠い表現でしか書いていません。
これをしびれるくらい、わかりやすく、効果的に
「刺さる」、
インパクトがあり、コンパクトな表現でプレゼンする必要があります。
これには、教養、哲学、想像力、経験、何より修羅場をくぐった経験に基づくホンモノの経験知が必要です。
これにより、クライアントに対して効果的な助言を行うことができます。
課題を仕事に変える能力
問題の定義と目標設定
発見した課題を実際の仕事に変えるためには、まずその問題を明確に定義(さらに言えば発見・創出)し、解決のための具体的な目標を設定する必要があります。
この段階では、問題を細分化し、優先順位をつけることが重要です。
戦略の策定
課題を解決するための具体的な戦略を策定します。
ここでは、問題の原因を分析し、最適な解決策を見出すための創造的なアプローチが求められます。
また、戦略の実行に必要なリソースの確保や、実行計画の詳細なスケジュールを作成することも重要です。
仕事を遂行する能力
実行力と調整力
課題を仕事に変えた後は、それを確実に遂行するための実行力と調整力が求められます。
プロジェクトの進捗管理、チームの調整、クライアントとのコミュニケーションなど、多岐にわたるタスクを効率的に管理する能力が必要です。
問題解決と柔軟性
プロジェクトの遂行中には、予期せぬ問題や障害が必ず発生します。
その際に迅速に対応し、柔軟に計画を修正する能力が求められます。
臨機応変な対応力と問題解決能力が試されます。
仕事を金に変える能力
価値の提供と交渉力
遂行した仕事を金銭的な価値に変えるためには、自らの提供する価値を正しく評価し、それに見合った報酬をクライアントに請求する交渉力が必要です。
自信を持って自らの価値を主張し、適正な報酬を得ることが求められます。
継続的な関係構築
仕事を一度金に変えるだけでなく、継続的な関係を築くことで、安定した収入源を確保することが重要です。
クライアントとの信頼関係を深め、リピートビジネスを獲得するためのフォローアップが求められます。
総括
弁護士の本源的能力は、単なる法律知識にとどまりません。
課題を発見し、それを仕事に変え、遂行し、最終的に金に変える力が必要です。
これができなければ、ただの法律に詳しいだけの物知りで終わってしまいます。
真のプロフェッショナルとして成功するためには、常にクライアントの期待を超える成果を出し、信頼を勝ち取ることが求められます。
弁護士としての成功は、法律の枠を超えた洞察力、戦略的思考、実行力、そしてビジネスセンスにかかっています。
著:畑中鐵丸