顧客は、スタッフ個人ではなく、コンサルタントの専門的な知識や能力に対する信頼を軸に依頼してきています。
そのため、スタッフは
「その役割を担うのは、コンサルタントであり、スタッフではない」
と心して業務にあたることが重要です。
スタッフ自身に判断を下す権限を持っているわけではなく、もし顧客に対してジャッジを行うようなことをすれば、顧客が不快感を抱く恐れがあります。
スタッフの役割は、顧客の意図を正確にミエル化し、整理した情報をコンサルタントに提供することにあります。
まず、顧客の要求を正確に把握しなければなりません。
この作業は一見簡単に思われがちですが、実際には、非常に難しいものです。
顧客が使いそうな表現を使ったり、あるいは、スタッフ自身の解釈が入ることは、正確なミエル化とは言い難く、整理が非常に困難となります。
顧客からの要求をコンサルタントに伝える際、何も考えずに
「キラーパス」
や
「ワンタッチパス」
を投げるような行為や、整理をせず全てをコンサルタントに丸投げする態度は厳禁です。
コンサルタントの負担を増やすだけでなく、顧客対応に遅れが生じる原因となります。
次に重要なのは、コンサルタントの視点を意識して準備を行うことです。
「コンサルタントだったらどう考えるか」
を自分なりに想像し、顧客の要望に応じた選択肢を整理した上でコンサルタントに提案すると、コンサルタントは顧客への解決策をより効率的に検討することが可能になります。
この対応こそが、スピードと質の両面で顧客満足度を高め、コンサルタントの働きを最大限に引き出す鍵となるのです。
著:畑中鐵丸