ビジネスメールにおいて、
「あれ? この件、サイトもらったっけ?」
と過去のメールを探したり、相手から
「この件について、返信をいただいておりませんが……」
と聞かれた経験はありませんか?
それは、
「1つのメールに複数のトピック」
を入れてしまったことが原因かもしれません。
「1つのメールに1つのトピック」
は、見落としやモレヌケを防ぐため、そして相手がスムーズに返信できるようにするための仕事術です。
では、なぜ
「1つのメールに1つのトピック」
が推奨されるのでしょうか?
見落とし・モレヌケを防ぐ
メールに複数のトピックを詰め込むと、相手が返信するとき、一部の内容を見落とす可能性が高くなります。
特に忙しい人ほど、メールをざっと読んで、
「とりあえず、この件だけ返そう」
と、メールの前半部分だけ返信し、その結果、
「抜け」
が発生しやすくなります。
たとえば、Aの件とBの件について同じメールで送信した場合、調査や確認が必要なBの件が混在していると、後回しにされるため、 本来すぐに戻ってくるはずのAの件の返信まで遅れてしまう場合があるのです。
しかし、Aの件とBの件を別々のメールで送れば、それぞれ独立したものとして処理されやすくなり、返信の速度が上がります。
相手の負担を減らし、返信をスムーズにする
受信したメールの内容が複数のトピックにまたがっていると、返信する側は
「どこまで答えたらいいのか?」
と悩むことになります。
1つひとつに丁寧に返信しようとすると時間がかかり、結果として返信が後回しになることも。
「1つのメールに1つのトピック」
なら、相手は短時間で瞬時に返信できるため、取引がスムーズになります。
検索・管理が簡単になる
その後メールを見返す際にも、
「1つのメールに1つのトピック」
のルールは役に立ちます。
過去のメールを検索するとき、タイトルを探すだけで、すぐに目的のメールを見つけることができます。
また、スレッドを追うときも、話題が混ざっていると、
「この返信は、緊急のAについて? それとも、Bの件?」
と混乱しがちですが、メールごとに話題を分けていれば、スレッドが整理され、必要な情報がすぐに見つかります。
どれくらい分ければいいか?
「1つのメールに1つのトピック」
のルールを意識する際、どこまで細かく分けても悩むこともあるでしょう。
基本的には、以下の基準で選択してもよいでしょう。
・それぞれ独立した返信が必要なもの
・それぞれ異なる担当者に送るもの
・重要度や締め切りが異なるもの
たとえば、
・ 「来週の会議の日程調整」と「新しいプロジェクトの提案」
・ 「契約書修正点」と「支払いスケジュールの確認」
・ 「A社との進捗報告」と「B社との契約について」
このような場合、別々のメールにするのが理想的です。
ただし、
「A社との契約に関する〇〇の件と△△の件」
など、密接に関連する話題であれば、1通のメールにまとめても問題はありません。
「相手にとってわかりやすいかどうか」
が、良いかどうかの判断基準になります。
まとめ:「1つのメールに1つのトピック」が仕事のマナー
メールの手続きをスムーズにするためには、
「シンプルでわかりやすく」
を意識することが大切です。
その中でも、
「1つのメールに1つのトピック」
のルールを守ることで、
・見落とし・モレヌケを防ぐ
・相手の負担を減らし、返信をスムーズにする
・検索・管理を簡単にする
というメリットが得られます。
「相手に送ればいいや」
ではなく、
「相手がスムーズに処理できるか」
を考えてメールを送信しましょう。
次回メールを送るときは、ぜひこのルールを意識してみてください。
きっと、相手も自分もスムーズに仕事が進められるはずです。
著:畑中鐵丸