00202_ケーススタディ_「ホウレンソウが機能しない会社」を変えるには?

<事例/質問>

ふわっとした言い方ですが、会社組織の風通しをよくしたいと考えています。

どうも、社長⇔管理職⇔社員間での報告・連絡・相談(ホウレンソウ)が滞っているようで、叱咤激励しても埒が明かないのです。

昭和のやりかたではダメなことはわかっているのですが・・・。

<鐵丸先生の回答/コメント/助言/指南>

社内の報告・連絡・相談(ホウレンソウ)を活発化させ、組織内で情報と意思を巡らせるためには、無理なく実行できる仕組みを整えることが重要です。

1 日報・週報の運用

まず、日報については、スケジュール管理ツールやアプリを活用するのが効率的です。

紙やメールでの運用では、手間がかかるうえに継続が難しくなるため、システム化することで負担を減らし、継続しやすくします。

一方、週報については、単なる業務報告ではなく、以下のポイントを中心に記載する形式にするのがおすすめです。

・「課題と対策」「注意喚起」「共有すべき情報」
・「合理性」「効率性」「生産性」「段取り」「オーナー目線」をどのように取り入れたか(または取り入れられなかったか、あるいは学べたこと)
・管理職の場合、部下に対して何を教えてあげられたか

ただの作業報告ではなく、業務の振り返りや改善点を共有することで、全体の成長につながります。

2 社長への報告会

社長との情報共有がスムーズになることで、意思決定のスピードが上がり、組織全体の方向性が明確になります。

ただし、堅苦しい報告会では負担が増えるため、柔軟な方法を取り入れるのが効果的です。

例えば、週に1回
「社長ランチ」

「朝食会」
を開き、
「一人3分以内で直面している課題を話す」
といったシンプルなルールで運用するのがおすすめです。

短時間で報告することで、要点を絞る習慣がつき、管理職同士の情報共有の場にもなります。

また、月に1回は、普段の業務とは異なるテーマで
「外部講師を招いた勉強会」
を実施し、その後に食事会を開くのも有効です。

業務の枠を超えたコミュニケーションを増やすことで、部門間の壁をなくし、会社全体の一体感を強めることができます。

3 予算の策定(予算に基づくレビュー)

会社全体で
「予算を立て、定期的に振り返る」
ことは、経営の透明性を高め、組織全体にオーナー意識を持たせるのに有効です。

予算策定の際には、単なる数字の計画ではなく、
「どのような目的で、その予算を使うのか」
を明確にし、定期的にレビューを行う仕組みを作るとよいでしょう。

管理職が
「数字に強くなる」
ことで、組織全体の視点が広がり、業務改善にもつながります。

ただし、予算の管理がプレッシャーにならないよう、
「計画→実行→振り返り(PDCA)を回しながら学ぶ場」
として運用することが大切です。

まとめ

・日報はシステム化し、週報では課題や学びを共有する形式にする
・社長との報告会は、短時間で気軽に話せる場(ランチ・朝食会)を設ける
・管理職同士の壁をなくすため、勉強会+食事会を定期的に開催する
・予算の策定とレビューを「学びの場」として運用し、オーナー意識を育てる

社内の仕組みを改善するには、
「厳しく管理する」
のではなく、
「ラクで簡単で楽しく」
をテーマにするのがポイントです。

「組織が変わることで、未来が明るくなる」
というメッセージをしっかり伝え、従業員のモチベーションを高めていきましょう。

著:畑中鐵丸