00113_「ベンチャー企業経営者が陥りがちなビジネス・マネー・人生全般における失敗」の傾向と対策_8_「人生」という「プロジェクト」を、より良き方向に改善し、ありうべきリスクを逓減させる方向で、制御(マネジ)するために_リテラシーの力で解決

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本コンテンツシリーズは、アジア経営者連合会「ALA経営塾」主催にて、令和3(2021)年3月25日(木)17時30分開始にて行われました、弁護士畑中鐵丸の講演「組織と個人の用心棒、顧問弁護士の使い倒し方・ベンチャー企業経営者特有の失敗の傾向と対策~ベンチャー企業経営者なら皆さん身に覚えがあるビジネスやプライベイトの失敗事例と対策のための”あの手・この手・奥の手”を25年超のキャリアをもつベンチャー弁護士が直接伝授します~」の講演レジュメ及び講演録から編集したものです。なお、本講演内容は、筆者(講師)独自の見解であり、所属組織及びアジア経営者連合会ないしALA経営塾のものとは一切関係ありません。
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1、拙著「ヤヴァイ会社の死亡フラグ10」で学ぶ

拙著「ヤヴァイ会社の死亡フラグ10」では、「ベンチャー企業経営者失敗あるある」がたくさん書かれていますが、そこでは、
【ビジネス(仕事)】のアップグレード、
【ビジネス(仕事)】のセキュリティ、
【財産(マネー)】のアップグレード、
【財産(マネー)】のセキュリティ(保険、節税、投資詐欺、金融破綻、仮想通貨流出等)
について、リテラシー形成に役立つようなヒントが書かれています。

2、拙著(但し、監修)「融資地獄」で学ぶ

拙著(但し、監修)「融資地獄では、特に、第4章以下において、
【ビジネス(仕事)】のセキュリティ
課題として、借金まみれになった場合の「危機脱出ノウハウ」が多数書かれています。

3、畑中鐵丸アーカイブスで学ぶ

畑中鐵丸アーカイブスは、
本サイトのご紹介で述べましたとおり、

地に足をつけて、現実的で具体的に「笑いが止まらないくらい、楽しく、憂いなき人生を送る」を実現するためには、【ビジネス(仕事)】、【財産(マネー)】、【健康】、【暮らし】及び【子供】といった各分解された要素分野において、それぞれアップグレードに努め、セキュリティを万全にしていけば、結果として、「豊かな人生を、楽しく憂いなく送れる」ということにつながります。

こういう観点から、

・【ビジネス(仕事)】のアップグレード(商品やサービスの改善・開発、事業拡大、新規事業創出、海外進出、株式公開、M&A等)
・【ビジネス(仕事)】のセキュリティ(法務強化、ガバナンス、コンプライアンス、契約処理、争訟対応、労務問題、税務問題等)

・【財産(マネー)】のアップグレード(株式投資、投資信託、不動産投資・REIT、先物・FX、新興国投資等)
・【財産(マネー)】のセキュリティ(保険、節税、投資詐欺、金融破綻、仮想通貨流出等)

・【健康】のアップグレード(アンチエイジング、ダイエット、体幹トレーニング、レーシック、AGA等)
・【健康】のセキュリティ(がん、脳梗塞・心筋梗塞、糖尿病、緑内障・白内障、動脈瘤等)

・【暮らし】のアップグレード(不動産、海外旅行、高級ホテル、美食、ショッピング、社交・嗜み・趣味、会員制クラブ等)
・【暮らし】のセキュリティ(相続紛争、離婚紛争、親族間不和、隣人紛争、事件・事故、SNS炎上、デマや噂の被害、名誉毀損等)

・【子供】のアップグレード(幼小お受験、中学・高校受験、大学受験、大学院受験、留学、就職、資格取得等)
・【子供】のセキュリティ(いじめ被害、いじめ加害、悪友との関係処理、問題教師、通学セキュリティ、学校事故、課外活動・スポーツ事故、事件・事故被害、ひきこもり、成績不振・学習意欲減退等)

といった形でテーマを分類して設定し、各テーマに沿う形で、畑中鐵丸がこれまで著した著作や評論や随想や雑文の全てを整理し、公開する目的でこのサイトを開設しました。

お金持ちや小金持ち、あるいはこれらを目指す野心家の方々にとって、本当に役に立つ、
「志は低いが、シビれるくらい役に立つ、インスパイヤリングな処世訓や知見や警句」
を発信し続けたいと考えています。

と書きましたとおり、上記各カテゴリーにおける人生の目的設計や課題発見、さらに、目的達成や課題対処のためのヒントを述べています。

一例を挙げますと、

離婚が頭によぎったら、まずは読んでおくべき「離婚にまつわる迷信・都市伝説」シリーズ

4、その他

1)「仕事や人生や社会生活において本当に大切なこと」は本に書いていないし、学校でも教えてくれない

世の中、
「身過ぎ世過ぎ」
のために本当に大切なことほど本や新聞に書いていないし、テレビでも放送しない。

学校の先生や親も教えてくれない。

というか、
「『身過ぎ世過ぎ』のために本当に大切なこと」
を学校の先生やサラリーマンや専業主婦をやっている親は知らない。

そういうことを知っているなら、教師やサラリーマンや専業主婦などではなく、もっと別の人生を歩んでいるはず。

「世の中で、本当に大事なこと」
がほんの少し、手がかりのようなことが、たまに本に書いてあることもあるかもしれないが、腹が立つくらいわかりにくくしか書いていない。

2)「人生や仕事の『切所(せっしょ)』」で役に立つのは、「キレイゴト」ではなく「リアリティ」

「仕事や人生の大事な局面」
で、
「常識や、学校の先生や親に教えられたことや、テレビや新聞で言っていること」
にしたがうと、たいてい失敗する。

「常識や、学校の先生や親に教えられたことや、テレビや新聞で言っていること」
は理想であり、キレイゴトであり、耳障りはいいが、役に立たない。

「仕事や人生の大事な局面」
は、
「キレイゴトではどうにもならない、圧倒的な現実」
が大きく立ちはだかり、
「ルール軽視の何でもあり」
の状況において、
「あの手、この手」だけでなく、「奥の手」、さらには(机上戦略における想定として)「禁じ手」も、また、「裏技、寝技、小技」に加え、(机上戦略における想定として)「反則技」も
捻り出し、あるいは想定しながら
死にものぐるいで生き残るような場面。

「会社や仕事の大事な局面」
では、
「陳腐な常識」

「リアリティの乏しいキレイゴト」
が通用しないし、常識やキレイゴトにしたがった処理をしたら、たいてい無残に失敗し、ピンチに陥る。
ピンチはチャンスになどならず、大ピンチになり、大ピンチは当然のように破滅に移行する。

常識とは、物心つくまでに身につけた偏見のコレクションであって、戦理とは真逆の有害な誤謬であることが多く、窮地に陥るのも、当然といえば当然。

3)「ピンチはチャンスに」なんて絶対ならない

失敗したら、ピンチになったら、ピンチは決してチャンスになどならない。

「ピンチ」

「大ピンチ」になり、
「大ピンチ」

「破滅」になるだけ。

ピンチになったら、敗北は必至・所与とし、とっととダメージコントロール(損害軽減措置)の検討を始め、素早く果断に実行するのが優れた実務家。

4)バカほど「一発逆転」を信じる

現実の社会においては、
「一発逆転」
というのはない。

ほぼ無い、というか、まったく無い。

特に、仕事や人生の切所において、
「一発逆転」
は、絶対無い。

たまに、
「大事が小事に、小事が無事になり、無事になって元に戻る」
という僥倖に恵まれることがあるだけ。

そして、
「大事を小事に、小事を無事にし、無事になってデフォルトの状態に回帰させる」
程度の成果を挙げるために、途方も無い時間とコストとエネルギーを費やし、かつ、辟易するくらい真面目に取り組まないといけない。

「会社のお金を使い込んでしまい、損失を回復しようとして、先物に手を出す」
という
「一発逆転策」
や、
「粉飾を誤魔化すために、さらに、大掛かりな架空取引をでっち上げる」
という
「一発逆転策」
など、
「危機打開のために、考え出された、創造性豊かな一発逆転策」
なるものは、そのほとんどが、単なる法令違反や犯罪行為(しかも、よりスケールアップした別途の法令違反や犯罪行為)であったりする。

5)「字を読めること」と、「紙背まで読み取ること」とは別

弁護士その他の専門家は、
「字を読む」プロ
かもしれないが、
「字を読めること」
と、
「紙背まで読み取ること」
とは別。

字を読めても、紙背が読めない、といった手合もいる。

憲法14条は、法の下の平等を保障している。

紙背を読めば、
「法の下の平等は保障するが、逆に言えば、経済的不平等を容認している」
ということ。

これは、単なる言葉遊びやレトリックではない。

紙背にこそ、絶対的本質が書かれている。

「経済的平等」

「結果の平等」
を徹底して志向した、かつてのソビエト連邦は、国家規模で破綻した。

我が国や西側先進諸国は、
「経済的不平等」
を、断固として、徹底的に、容認し、保障し、死守してきたし、今後もそうする。

憲法14条が体制として保障する国家の姿は、紙背にこそ、その本質が描かれている。

これが、紙背を読む、という意味。

そして、こんなことは、法学部で習わないし、司法試験でも聞かれないし、司法研修所でも習わないし、一般の法律家もよく判っていない。

知っているのは、最高裁判事その他、一部のエスタブリッシュメントだけ。

6)「知性・知恵」と、「情報・データ」は別もの

「正確無比なデータ」

「詳細な情報」
よりも
「リテラシー」
が、
「瑣末な議論」
より
「大局」
「本質」
が、重要。

「記憶力」
すなわち
「データや情報の蓄積と効率的な検索という機能を実装して、誰が解いても正解が1つの自然科学上の命題・課題を間違いを犯すことなく、忘却せず、正確に、即座に解答する能力」
は今や無価値。

Googleやコンピューターといった記憶装置・演算処理装置は、確かに、便利。

原始人や未開の部族はさておき、スマホを持っていてGoogleで検索できるだけの人間を、ただ、スマホを持っていて検索できるから、といって
「記憶力のある物知り」
として尊敬したりしない。

クイズ東大王も、テレビで観ていて暇つぶしにはなるが、人生や仕事の大事、会社の生き死にに関わる大事を相談しようとも思わない。

ハサミは便利だが、ハサミを尊敬するバカはいない。

「問題を見出し、問題を設定し、課題を創出できた上で、Googleの特性を理解し、Googleを活用して、問題解決手法を生み出したり、それを金儲けに利用したりする人間」
は知性があり、価値がある。

大事なもの・重要なもの・価値あるものは、
「記憶力に長けた試験秀才や物知り」
ではなく、
「メタ認知(自己客観視・俯瞰視)が出来、問題を発見・特定し、問題を解決して、価値を創造できる」
ような本質的知性や根源的スキルを実装した人間。

「覚えること、記憶すること」

「正解がある問題で、正解を正確に答えること」
は、人生やビジネスや企業の問題解決能力としては、ほぼ無意味で無価値。

分厚い法律書をみても、個別具体的な企業活動や取引において法的課題を抽出する方法は、そこに書いていない。

当然ながら、分厚い法律書を正確に記憶した法律バカに、目の前の課題対処を聞いても、何も答えられない。

株主から提訴要求通知が内容証明郵便で突如送られてきてパニックに陥った企業が、
「会社法で『優』を取った法学部の学生」
に、
「こんなの来たんだけど、任せるから何とかして」
と言って対処をお願いした場合、どうなるだろうか?

この
「試験秀才の21歳の学生」
は、戦略的・効果的に対処して、企業を救うことが出来るだろうか?
それとも、歯が立たず呆然とするだけだろうか?

7)知性とは懐疑能力・創造的であり、実務知性とは結果を出せるまで合理的試行錯誤やゲームチェンジを継続する執着心と同義

知性とは、懐疑する知的能力や想像する知的能力のことであり、問題を予知し、問題を発見し、問題を特定・具体化し、展開予測をし、ストレステストを実施する能力を指す。

東大の二次試験は、この文脈の知性を試している。

東大に合格する人間は、予測をし、想像し、予測されたリスクに対して、準備をし、手当をしておく。

平たく言えば、「ヤマを張」っている。

ただ、東大に合格する人間の場合、「張るヤマ」の範囲が、膨大で、粗漏が皆無。

だから、合格する。

当然のように合格するのである。

また、実務的知性とは、
「あの手・この手・奥の手・(机上想定としての)禁じ手・裏技・寝技・小技・(机上想定としての)反則技」
を捻り出し、あるいは想定し、ゲームチェンジを含めた合理的試行錯誤を構築・遂行し続け、
「何とかする」
「結果を出す」
まで往生際悪く執着するために働かせる知的能力や精神作用である。

8)リスク管理の肝は、リスクの発見・特定

企業法務とはリスク管理。

リスク管理で一番重要なことはリスクの発見と特定。

ほとんどの企業はリスクの特定はおろか、発見すらできていないし、楽観バイアスや正常性バイアスに罹患し、気付いてすらいない。

日本企業のほとんどは、課題抽出が圧倒的に出来ていないので、課題対処のはるか以前の段階で、躓いているのが現状。

9)「生兵法“務”」は大怪我のもと

「生兵法“務”」は大怪我のもと。

迷ったら聞く。

迷ったら聞ける環境を作っておく。

但し、聞く相手と聞く内容と聞き方を間違えないこと。

法務の失敗は、自分が出来ると思って自分の常識で処理して失敗するか、知識も経験も能力もない人間に頼って失敗するか、のいずれかがほとんど。

10)他人も、自分も、信じない

人間関係であれ、組織間の関係であれ、国家間の外交関係であれ、
「正しい関係」
「ありうべき関係」
構築に最も重要なことは、
「相手をとことん信用しないこと」。

上司であれ、社長であれ、弁護士であれ、裁判官であれ、学者であれ、親であれ、友達であれ、身内であれ、他人はすべて信じない。

自分以外の他人は一切信じず、他者の悪意を予測しつつ、他者の愚考や愚行を想定しつつ、睨み返されても不愉快な予測や想定を披瀝し、これに対する備えを提案し、後で行う喧嘩を先にやっておく。

最初に「目先の波風」
を立てておかないと、後から大津波に襲われる。

さらにいえば、最も優れた人間は、自分自身ですら信じない

11)「創造的な仕事」をするためには、「陳腐な形式や退屈なモラルやくだらない常識」は邪魔、すごく邪魔、非常に邪魔、迷惑なほど邪魔

大きなビジネスや新規のプロジェクトは、フツーのことをフツーにやっていては成功などしない。

トラブルや想定外の連続の事柄が次々生じる。

例外事象の対処には、常識や良識やモラルや過去の成功体験は一切通用しない。

学校で習ったり、親から教えられた、キレイゴトや理想論も通用しない。

というか、圧倒的な現実に立ち向かうには、キレイゴトや理想論に従うと、却って死期を早めるだけ。

「世間で評価される仕事というのは、あらゆる形式やモラルを排して遂行されているもの」
である。

12)さらにさらに

さらに、興味があれば、畑中鐵丸が執筆したシリーズコンテンツ
苛酷な社会を生き抜くための「正しい非常識」
が参考になる(かもしれないし、ならないかもしれない)。

著:畑中鐵丸