00191_ケーススタディ_離婚調停中、別居の親子関係を考える:子どもの言葉の真意を探る

<事例/質問>

先日、息子との面会交流が無事に終わりました。

久しぶりに会えたのは嬉しかったのですが、息子と話している中で、娘について気になることを聞きました。

息子曰く、
「妹は、パパとは会いたくない、と話してる」
そうです。

「会いたい」
と言ったり、
「会いたくない」
と言ったりしているそうで、娘の本音がどこにあるのかわからず、悩んでいます。

また、最近の面会交流は、子どもを引き取っている相手側のルールに従う必要があり、その状況に少なからず不満を感じています。

良くも悪くも早く決着をつけたいです。

相手側の思惑に左右されずに娘とちゃんと向き合える親子関係を築くためには、娘の発言をどのように受け止め、また、面会交流においてもどのように対応していけばよいのか、アドバイスをいただければと思います。

<鐵丸先生の回答/コメント/助言/指南>

面会交流、お疲れさまでした。

限られた時間の中で、たとえ手間がかかると感じても、
「会うための最大限の努力を、可能な限り尽くしている」
という否定できない事実の蓄積は重要です。

お嬢さんの
「会いたくない」
という発言についてですが、この言葉をそのまま真に受けるのではなく、背景にどのような影響があるかを考慮することが重要です。

具体的には、以下の要素を頭に入れておきましょう。

1 伝聞である点

息子さんから聞いた内容であり、必ずしもお嬢さん本人の真意を直接表しているとは限りません。

2 バイアスの存在

子ども自身の気分や感情、あるいは現在の家庭環境からの影響によって、言葉が歪んでいる可能性があります。

3 別居中の配偶者の誘導

お嬢さんの発言が、意識的または無意識的に配偶者からの影響を受けていることも考えられます。

これらの要因を考慮すれば、お嬢さんの
「会いたくない」
という発言も、表面的なものに過ぎない場合があります。

過剰に反応せず、
「そのような時期もある」
と受け止める姿勢が重要です。

逆に、配偶者がバイアスをかけるのは
「焦り」
の現れともいえます。

たとえば、戦争で劣勢になったかつての日本や、現代の北朝鮮が、滅亡に近づくにつれて強気の姿勢や誇張した情報を発信することと似ています。

この種のバイアスに右往左往せず、振り回されないことが肝要です。

あなたが
「良くも悪くも早く決着をつけたい」
と感じる点については、十分に理解できます。

ただし、今は冷静に構え、引き続き淡々と面会交流を続けることをお勧めします。

「会いたくない」
という言葉に過剰な意味を見出さないようにしましょう。

時間の経過とともに、お嬢さんの心情や態度も変化する可能性があります。

焦らず、長期的な視点で接していくことを心がけてください。

著:畑中鐵丸