00014_人生をうまいこと送るためのリテラシーその1:「常識とは偏見のコレクション」

世の中、大切なことほど、教科書には載っていませんし、親も学校の先生も先輩も、世の中のことをよくわかっていません。

また、そういう
「ホンモノの知恵」
は、一握りの人間によって独占されていますし、独占している階層の人間は、この知恵を、よほどの理由がない限り、明かしません。

世間から嫌われるくらい成功して楽しい人生を送っている人間の中には、
「競争者を増やして、自分の首を締める」
ようなことをするバカは、ほとんどいませんから。

「成功」
とは、非常識な方法によって得られた稀有な結果です。

常識や良識にしたがったところで、得られるものは陳腐な結果です。

さらに言えば、
「常識」
とは、
「物心つくまでに身につけた偏見のコレクション」
を指します。

「大きなプロジェクトの成功」
は、例外事象であり異常現象です。

それなりに大きなビジネスや新規のプロジェクトは、フツーのことをフツーにやっていては成功などしません。

トラブルや想定外の事柄が次々生じます。

大きな事業・新規の事業を、公務員の皆様やフツーのサラリーマンの皆様や小学校の先生方や専業主婦の皆様に、彼らの常識や良識にしたがって取り扱わせたら、どうなるか、想像してください。

これらの事柄の対処には、常識や良識は通用しませんし、事業が悲惨な末路を迎えることは想像に難くありません(もちろん、前記属性の方々の中には、立派で尊敬に値する方も多数おわしますが、ここでは、「例外事象」「異常現象」を扱わせる、という限定された状況において、蓋然性の問題として、どういう帰結が見込まれるか、という議論における評価・推定の話です)。

アップルやグーグルやアマゾンの、新しいCEOを、
「公務員の皆様やフツーのサラリーマンの皆様や小学校の先生方や専業主婦の皆様から無作為に選ばれた、常識と良識に満ちた、庶民の考えや痛みや苦しみがわかる、そんな、常識と良識を持ち合わせた、平均的な思考ができる、平均的な方」
に任せることとした。

この場合、これらの会社の株価は、好感を得て上がるでしょうか、それとも、マーケットから総スカンを食らって暴落するでしょうか。

「世間で評価される仕事というのは、あらゆる形式やモラルを排して遂行されているものだ」
これは、あるベンチャー経営者が、若い方や後輩に常に言っている言葉です。

常識を疑い、常識の裏側や対極にあるものを想定し、非常識のアングルに立って物事を観察するクセをつけてみる。

そうすると、世の中には、イノベーションや改善の可能性、すなわち成功の機会がゴマンとあることに気づくはずです。

では、どうやって、
「成功するための、正しい非常識」
を身につけるか? 

周囲に流されず、良質な本を読み、成功した人間から正しい情報を得ることを通じてしか、この種の
「非常識だが、理にかなった、資本主義経済社会をうまく泳ぎ切るための知恵」
は手に入れることはできません。
(つづく)

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