00184_契約書有効性と信頼性を保障するための対応策

001810018200183について、補足します。

日本の民法においては、意思主義、すなわち、特段の文書や形式なく、相互の意思表示が合致すれば、それで法的に有効な契約が成立します。

じゃあ、
「契約書は何なんだ?」
という話になると、意思表示が合致した痕跡を証拠として残し、後日の紛争に備える、自主的な危機管理手段であり、任意のもの、という扱いです。

したがって、証拠の形式に特段の制約がなく、合理的経験則に照らして、当人の意思が反映された痕跡であれば、裁判になっても相応の耐性を獲得する、と考えられます。

「電子メールは法的に有効な証拠か?」
ということを、大真面目に議論しているサイト等がありますが、
「メールが改ざんされた」
との例外的な状況ではない限り、意思内容を立証する有効な証拠としては、十分認められることは疑いありません(ただ、取引の規模に照らして、表現や電子メールという体裁自体が異常なまでにカジュアルである、と裁判官が判断すると、意思が明確に反映されていない、とされることはあり得ますが)。

さて、本件(001810018200183)ですが、

本人確認していなくて、偽造(「本人の許可なく押印した」の意味)の可能性も否定できませんが、弁護士法の点ではやや微妙なビヘイビアとはいえ、一応、国から営業許認可をもらった不動産会社が借主と貸主の間にたって実務を担当していますし、彼らが、偽造をして、刑事罰に問われたり、許認可を剥奪されるようなことをあえてする動機に乏しい、ということもありますので、まあ、全く信用できないわけではなく、意思内容を示す痕跡としては、相応に取扱ができるレベルと考えられます。

また、表示された意思内容も、巨額の、異常な取引、というよりも、常識的で妥当で合理的な処理を明確にした文書であり、その点からしても、目くじらたてて、実印だ印鑑証明だ、とわめきたてる強度の必要性もなかったので、記名押印でよしとした、というスタンスもありかと存じます。

どうしても心配であれば、
「契約解除」
もあり得るかと思いますが、
「取るべきリスクと割くべき時間とエネルギーとのバランスを考えると、どうか」
というところでしょうか。

まあ、現実的な打開策としては、

1)立会人として、不動産会社の代表者に署名させる

2)さらに、賃貸人の記名押印の下部に、不動産会社から
「本件記名押印が、本人の意思を反映していることを表明し、保証する 不動産会社<印>」
と一文・名前・ハンコをもらう

のいずれかで対応して差し支えないような気がします。

旧賃貸人が入院中ということは、解除契約自体も微妙な感じになりますので、いずれにせよ、問題の根本は変わらないような気がします。

だとすれば、旧賃貸人の意思が明確にならないリスクを、保証人ないし不動産会社ないし双方に転嫁する方法が現実的でしょう。

著:畑中鐵丸

00183_ケーススタディ_契約における名前の表記と意思表示

<事例/質問>

アパートを経営しています。

先日、不動産会社から
「賃借人が高齢のため、賃借人および保証人の変更契約が必要」
との連絡がありました。

賃借人は入院し、自署や実印(印鑑証明付きの登録印)が難しいとのことです。

過去のご助言(0018100182)に基づき、以下のように最も強度の高い対策を取ることにしました。

対策1
「土地保有者及び賃貸人名義変更通知書」、「連帯保証人変更に関する覚書」(債権債務清算条項を効かせる)を作成し、旧賃借人の署名欄の直下に「上記は、●●(旧賃借人)の意思に基づくものであることを表明し、保証する」と記載し、新賃借人が署名・押印する

対策2
文書の末尾に立会人として不動産会社の代表者が「本書が、●●(旧賃借人)の意思に基づくものであることを、立会人として、表明し、保証する」と記載し、署名・押印を行う

その上で、不動産会社がもってきた契約書を確認したところ、もともとの契約書と今回の契約に関わる書類において、氏名欄に、旧常用漢字・常用漢字の違いがあることがわかりました。

もともとの契約書では、旧賃借人の記名欄に「旧常用漢字」が使用されています。

今回の契約に関わる旧賃借人・新賃借人・保証人は、親子関係で全員苗字が同じなのですが、名前にはすべて「常用漢字」を使用しています。

質問です。

1 今回の契約書において、旧賃借人の名前も「常用漢字」で記載して問題はないでしょうか?

2 もともとの契約書に合わせて、旧賃借人の名前だけ「旧常用漢字」にする必要があるのでしょうか?

3 なお、不動産会社によると、パソコンで旧常用漢字が出てこないため、対応に悩んでいると、言っています。

<鐵丸先生の回答/コメント/助言/指南>

「常用漢字を使おうが、旧常用漢字を使おうが、どちらでも差し支えない」
ということになります。

住所と氏名の両要素で本人特定しますので。

同じ住所に●●●(旧常用漢字)と◎◎◎(常用漢字)の2名いれば大変ですが、特定の個人をさすことは明らかです。

在日外国人の中には、何十回、何百回と契約を重ねても、本名を名乗らずに通名(ペンネーム)で契約を行う方がいます。

しかし、その場合でも契約が無効になることはありません。

たとえば、歌手の「松田聖子」さんとの契約を考えてみてください。

本名の「蒲池法子」でサインしても、芸名の「松田聖子」でサインしても、それだけで契約が無効になることはありません。

同じく、契約の成立には
「意思表示の合致」
が最も重要であり、その痕跡さえ確かであれば問題ないのです。

つまり、
“「松田聖子こと蒲池法子」という、該当する住所に住むただ一人の日本人がその意思表示を示した”
という痕跡が揺るぎない限り、契約内容の有効性は保持されるのです。

正式には、

「●●●(旧常用漢字)こと◎◎◎(常用漢字)   ◎◎◎(常用漢字)<印>」

が確実だと思います。

著:畑中鐵丸

00182_ケーススタディ_高齢賃借人に関する契約変更手続きの対応方法

<事例/質問>

アパートを経営しています。

不動産会社から
「賃借人が高齢のため、賃借人および保証人の変更契約が必要」
との連絡がありました。

署名の真正性や法的効果の強度については00181で、以下のように教えていただき、理解しました。

(1)自署+実印(印鑑証明付きの登録印)
(2)記名(名前印刷)+実印
(3)自署+契約印と同じ認め印(登録されていない三文判)
(4)自署+契約印と異なる認め印
(5)記名+契約印と同じ認め印

ただし、(1)や(2)が不可能な場合、不動産会社の協力を得て進める方法はありますでしょうか?

<鐵丸先生の回答/コメント/助言/指南>

署名や印鑑の種類が法的効力に影響を及ぼすため、法的効果の強い順に推奨される手順を整理します。

まず、一般的には
「(1)自署+実印」

「(2)記名+実印」
を用いると法的効力が高くなりますが、旧賃借人の実印が用意できない場合には、不動産会社の協力を得ることで契約書類の信頼性を補強することが可能です。

以下に具体的な方法を、強度の高い順に記載します。

対策のポイントと強度順

1 最も強度の高い対策(A案)

・「土地保有者及び賃貸人名義変更通知書」や、「連帯保証人変更に関する覚書」(債権債務清算条項を効かせること(これが最重要となる))を作成し、旧賃借人の署名欄の直下に「上記は、●●(旧賃借人)の意思に基づくものであることを表明し、保証する」という文言を新賃借人が記入し、署名・押印します。

・また、文書の末尾に立会人として不動産会社の代表者が署名・押印を行い、「本書が、●●(旧賃借人)の意思に基づくものであることを、立会人として、表明し、保証する」と記載します。

これにより、新賃借人と不動産会社が双方で旧賃借人の意思を保証する形となり、実印が用いられなくても、法的信頼性が高まります。

2 次に強い対策(B案)

・旧賃借人の署名欄の直下に「上記は、●●(旧賃借人)の意思に基づくものであることを表明し、保証する」と新賃借人が記入し、署名・押印する方法です。

・A案と異なり、不動産会社の立会いがないため強度はやや落ちますが、旧賃借人の意思が確認されたことを示すことで一定の信頼性を確保できます。

3 立会人のみの保証(C案)

・旧賃借人の署名欄に保証文言は入れず、立会人として不動産会社の代表者が文書の末尾に署名・押印を行い、「本書が、●●(旧賃借人)の意思に基づくものであることを、立会人として、表明し、保証する」との記載を加えます。

・これは新賃借人による保証がないため、信頼性はA案、B案に比べてやや低くなります。

4 最低限の対応(D案)

・特段の追加措置や記載を加えず、旧賃借人の押印のみで進める方法です。

信頼性が低くなり、後日の紛争リスクが高まるため、他の選択肢が難しい場合のみに限られます。

補足

旧賃借人が実印を用いなくても、不動産会社が立会人として契約に関与することで、宅建業者としての立場から一定の信頼性が認められることがあります。

著:畑中鐵丸

00181_ケーススタディ_契約署名の法的効果と変更契約の注意点について

<事例/質問>

アパートを経営しています。

不動産会社から、
「賃借人が高齢のため、賃借人および保証人の変更契約が必要」
という連絡がありました。

旧賃借人のサインが取りにくいとのことで、当初の契約は
「サイン+印鑑」
でしたが、更新契約では
「名前の印刷+印鑑」
にしており、今回の賃借人変更通知書および保証人変更契約でも
「名前印刷+印鑑」
にする提案を受けています。

当初の打ち合わせ通り、実印と印鑑証明の提出をお願いしたのですが、もし本人のサインがない場合、原契約の印鑑のみで契約することは、やはり法的効果が弱いでしょうか?

<鐵丸先生の回答/コメント/助言/指南>

不動産の賃貸契約や保証人の変更契約において、署名の形式や印鑑の種類は法的効果に影響を与える重要なポイントです。

署名の真正性や法的効果の強度について理解しておくと、契約を交わす際の判断材料になるでしょう。

契約署名の法的効果の強さは以下の順序で分かれます。

 自署+実印(印鑑証明付きの登録印)
自署と実印の組み合わせは、署名の真正性を証明する最も強力な方法です。
自署とは本人が直接サインすることを指し、実印は役所に登録された公的な印鑑です。
この組み合わせでは、契約書に対する本人確認が確実に行われているため、第三者からの信頼性も高く、法的効力が非常に強くなります。

 記名(名前印刷)+実印
自署ではなく名前の印刷に実印を組み合わせた場合です。
記名のみでは本人が直接契約意思を示した証拠が弱くなる可能性がありますが、実印を使用することである程度の法的効果が確保されます。
ただし、自署に比べると真正性はやや劣るとされます。

 自署+契約印と同じ認め印(登録されていない三文判)
実印ではなく、認め印で契約する場合です。
認め印は法的には一定の効果を持ちますが、偽造や不正のリスクがやや高まるため、実印ほどの信頼性はありません。
しかし、自署があることで本人の意思は確認されているため、一定の効力が認められます。

 自署+契約印と異なる認め印
自署があっても契約時に押印された印鑑と異なる印鑑を使用すると、契約書の真正性が疑われる場合があります。
契約印と異なる認め印は、本人確認や契約意思の確認が十分に行われたとは限らないため、法的効果はかなり弱まることになります。

 記名+契約印と同じ認め印
本人が署名せず、記名(名前印刷)と契約時の認め印のみの場合です。
この場合は法的効果が最も弱く、第三者による署名の不正や意思確認が曖昧になりやすい点で注意が必要です。

以上の順序から分かるように、
「記名+認め印」
の組み合わせは、法的には最も弱いものとなります。

もし賃借人が高齢で自署が難しい場合でも、契約の法的効果を確実にするためには、少なくとも
「記名+実印」
に加えて印鑑証明の提示を求めるとよいでしょう。

著:畑中鐵丸

00180_ケーススタディ:ケンカのお作法_マンション共有部分のガラス交換

<事例/質問>

マンションのバルコニーのガラスを、曇りガラスから透明ガラスに交換したところ、管理会社より電話で次のようなコメントを受けました。

「共用部分であるバルコニーのガラスが、曇りガラスから透明ガラスに変更されています。他の住民とのバランスを考慮し、元の曇りガラスに戻してください」

この指摘に対し、私は
「バルコニーを共用部分とは認識しておらず、精神衛生上の理由で交換した」
と伝えました。

また、同様の変更を希望する他の住民の存在を伝え、
「住民全体の意見をアンケートで集めてはどうですか」
と提案しました。

このような場合、どのように対応すべきだったでしょうか?

<鐵丸先生の回答/コメント/助言/指南>

1 「知らなかった」を主張する

ルール違反であると指摘されても、まずは
「共用部分であることは知らなかった」
と、真顔ですっとぼける。

透明ガラスに変えたのは、前向き精神衛生上の配慮であり
「自分こそが正義だ」
と強弁する。

強弁も百回唱えると正義になる。

2 管理会社からの正式な文書を要求する

仮に管理会社から指示や要求があっても、口頭での指摘には応じず、
「そんな重大なこと、イージーでカジュアルなスタイルでは困ります。
命令なのか、要望なのか、愚痴なのか、わからないし、根拠があるかどうかも、わからない。
その訳、その理由、その背景、無視した場合にどんな厄災がふりかかるのか、きちんと書いたもので貰わないと、困ります。
文書の責任者の明示を含め、もし、書いた内容に間違った場合に、誰がサンドバッグになって、私のケンカを買ってくれるのか、そこも含めて、文書でくださいね」

というのが正しいケンカの作法です。

とはいえ、どんなに激しいケンカをしても、最後は、
「妥協と和解」
で収まるものですので、嫌味をぶっぱなしつつも、落とし所を探りつつ、温和に落ち着かせる努力を並行して進めましょう。

著:畑中鐵丸

00179_相続_弁護士に法的ジャッジの支援を依頼する背景

相続について、弁護士に法的ジャッジの支援を依頼する方が絶えないのは、相続案件が争族案件に移行することが多いためです。

すなわち、相続にまつわる
「“法的論理リスク”の確認」
「資料の解析評価と最終結論のミエル化・カタチ化・言語化・文書化」
をプロに任せる方は少なくありません。

たとえば、連帯保証債務調査は、信用保証協会に限定していえば、単なるコミュニケーション課題です。

端的に言えば、
「わからないときは、聞けばいいだけ」
のことです。

しかし、
「人にものを尋ねる」
ということであっても、
「文書で」
となると、”超絶難しい”とされます。

「意思内容を文章で表現する」
だけで、“数日”ではなく“数週間”を要する人もいるほどです。

そのうえ、発出した文書に対しては、相手方からすぐに回答を得られるわけではなく、放置されたり、何度も突き返される等で
「相手と意思疎通を図れない」
のが現実です。

そのコミュニケーションはいつかは成立するでしょうが、そこに至るまでの“時間”と“機会”は、想像を絶するレベルでしょう。

ここに、専門家(弁護士)の介入契機が生まれます。

要するに、相続人が被相続人の子供であることを戸籍等で証明し、かつ、連帯保証の存否・範囲・額を照会するという意思内容についてミエル化・カタチ化・言語化・文書化・フォーマル化を、弁護士が支援するということです。

尚、当然のことながら、依頼者への見積書提出や、その前提としての状況の収集・整理・観察・認知・評価といった各知的作業については、費用が発生します(これら知的作業は”法律相談”と呼ばれることもあります)。

著:畑中鐵丸

00178_「プロのビジネス弁護士の本源的能力」は、「課題を発見し、課題を仕事にし、仕事をカネに変える力」

プロのビジネス弁護士としてやっていくには、法律の知識も勿論必要ですが、それだけでは全く足りません。

「プロのビジネス弁護士が実装しておくべき真の能力」とは、
・課題を発見し、
・課題を仕事に変え、さらに
・その仕事を金に変える力
です。

この能力がなければ、弁護士はただの
「法律に詳しい物知り」
「クイズ法律王」に過ぎません。

課題を発見できる能力

洞察力と観察力

弁護士の重要な能力の1つは
「課題を発見する力」
です。

これは、クライアントが気づいていない潜在的な問題を見つけ出す能力を意味します。

洞察力と観察力と想像力と経験知がここで求められます。

例えば、企業の幹部が
「我々は法的に問題ない」
と自信満々に言っている場合、その裏に潜むリスクを見抜く目を持つことが重要です。

リサーチと情報収集

問題を正確に把握するためには、徹底したリサーチと情報収集が不可欠です。

弁護士は、法的な先例や関連する法律文献、クライアントの過去の事例などを調査します。

それだけでは不十分です。

真の価値ある法的助言は、本に載っていませんし、載っていてもわかりにくく、本質から遠い表現でしか書いていません。

これをしびれるくらい、わかりやすく、効果的に
「刺さる」、
インパクトがあり、コンパクトな表現でプレゼンする必要があります。

これには、教養、哲学、想像力、経験、何より修羅場をくぐった経験に基づくホンモノの経験知が必要です。

これにより、クライアントに対して効果的な助言を行うことができます。

課題を仕事に変える能力

問題の定義と目標設定

発見した課題を実際の仕事に変えるためには、まずその問題を明確に定義(さらに言えば発見・創出)し、解決のための具体的な目標を設定する必要があります。

この段階では、問題を細分化し、優先順位をつけることが重要です。

戦略の策定

課題を解決するための具体的な戦略を策定します。

ここでは、問題の原因を分析し、最適な解決策を見出すための創造的なアプローチが求められます。

また、戦略の実行に必要なリソースの確保や、実行計画の詳細なスケジュールを作成することも重要です。

仕事を遂行する能力

実行力と調整力

課題を仕事に変えた後は、それを確実に遂行するための実行力と調整力が求められます。

プロジェクトの進捗管理、チームの調整、クライアントとのコミュニケーションなど、多岐にわたるタスクを効率的に管理する能力が必要です。

問題解決と柔軟性

プロジェクトの遂行中には、予期せぬ問題や障害が必ず発生します。

その際に迅速に対応し、柔軟に計画を修正する能力が求められます。

臨機応変な対応力と問題解決能力が試されます。

仕事を金に変える能力

価値の提供と交渉力

遂行した仕事を金銭的な価値に変えるためには、自らの提供する価値を正しく評価し、それに見合った報酬をクライアントに請求する交渉力が必要です。

自信を持って自らの価値を主張し、適正な報酬を得ることが求められます。

継続的な関係構築

仕事を一度金に変えるだけでなく、継続的な関係を築くことで、安定した収入源を確保することが重要です。

クライアントとの信頼関係を深め、リピートビジネスを獲得するためのフォローアップが求められます。

総括

弁護士の本源的能力は、単なる法律知識にとどまりません。

課題を発見し、それを仕事に変え、遂行し、最終的に金に変える力が必要です。

これができなければ、ただの法律に詳しいだけの物知りで終わってしまいます。

真のプロフェッショナルとして成功するためには、常にクライアントの期待を超える成果を出し、信頼を勝ち取ることが求められます。

弁護士としての成功は、法律の枠を超えた洞察力、戦略的思考、実行力、そしてビジネスセンスにかかっています。

著:畑中鐵丸

00177_畑中鐵丸のFMラジオ番組の対談4_ 「Radio Leaders」(TOKYO FMグループ/MUSIC BIRD系列)2024年6月29日放送その2

畑中鐵丸が、2024年6月29日に放送された
FMラジオ番組 「Radio Leaders」(TOKYO FMグループ/MUSIC BIRD系列)
の対談に出演しました。その後半です。

1. 番組について

ラジオ番組「ラジオリーダーズ」は、
日本全国で活躍するリーダーたちをゲストに迎え、彼らの仕事や人生のターニングポイント、成功と苦労、仕事術などについて深掘りする内容です。

司会は小林咲夏(さっか)さんです。

2. 企業法務の全領域をカバーする経緯

私は、企業法務全般を取り扱っており、特に専門分野を限定せず、あらゆる法律問題に対応しています。

クライアントとしては農林水産省をはじめ、中堅・中小企業の中でも成長著しい“元気な”中小企業が多いです。

“元気な”企業は常に新しいトラブルが絶えず、その都度適切な対応が求められます。

消費者契約、不動産トラブル、税務調査、M&Aの失敗、銀行との交渉など、様々な法律案件に対応してきました。

もちろん、すべてをひとりで解決できるわけではなく、クライアントから
「なんとかしてくれ」
と依頼されるたびに、専門分野に特化した適切な専門家を紹介し、結果的にはわたしがゼネラルコントラクターのような役割を担い、クライアントは私を通じて問題を解決してきました。

その経緯をお話しています。

3. 2000本以上のコンテンツで法務を網羅した「企業法務大百科」

これまでの多様な案件で培った経験や知識を体系化し、共有するために立ち上げたのが
「企業法務大百科」
です。

これまでに蓄積したケーススタディやクライアントとの取り組みをもとに、2000個以上のコンテンツを作成し、インターネットで無料公開しています。

4. リアルな事例で納得!「企業法務大百科」

「企業法務大百科」
で、リアルな事例や具体的なノウハウを共有しています。

なかには長い記事もありますが、ビジネスパーソンにとってわかりやすい言葉で書いており、実際に相談に来たクライアントにこのコンテンツを見せると、
「これは、うちのことだ!」
と言われることが多いです。

リアルな事例が多いため、クライアントは自分たちの問題と重ねて考えやすく、納得感が得られるのでしょう。

対談では、従業員の退職に関する相談について紹介しています。

5. クライアントの要望に応え、つくった「畑中鐵丸アーカイブス」

クライアントからは法律以外の問題についても様々な相談を受けることがあり、これに応じるために
「畑中鐵丸アーカイブス」
を立ち上げました。

このブログでは、法務の枠を超えたビジネス全般に関するトピックスを取り上げており、投資、離婚相談、さらには受験に関するアドバイスまで多岐にわたります。

クライアントの要望に応じて、ビジネスの側面だけでなく、場合によっては個人的な問題に関してもアドバイスを提供しています。

特に受験内容に関しては、ビジネスにおける成功にも似ていると評判です。

6. 「痴漢冤罪対策バイブル」を公開

痴漢犯罪の問題も個人的な問題の1つであり、これまでにいくつかの冤罪事件を担当しました。

実質的にすべての事件で無罪を勝ち取ることに成功しています。

同世代の男性やサラリーマンが冤罪に巻き込まれるケースをみてきたから、事前に正しい知識を持っておくことの重要性を強く感じています。

その一助にと、
「痴漢罪対策バイブル」
をnoteというプラットフォームで公開するようになりました。

https://audee.jp/voice/show/85101

インタビュイー:畑中鐵丸

00176_畑中鐵丸のFMラジオ番組の対談3_ 「Radio Leaders」(TOKYO FMグループ/MUSIC BIRD系列)2024年6月29日放送その1

畑中鐵丸が、2024年6月29日に放送された
FMラジオ番組 「Radio Leaders」(TOKYO FMグループ/MUSIC BIRD系列)
の対談に出演しました。その前半です。

1. 番組について

ラジオ番組「ラジオリーダーズ」は、
日本全国で活躍するリーダーたちをゲストに迎え、彼らの仕事や人生のターニングポイント、成功と苦労、仕事術などについて深掘りする内容です。

司会は小林咲夏(さっか)さんです。

2. 弁護士を目指すまでの道のり

弁護士を志したのは、遅かったと思います。

法学部に進んだのも、映画で見た弁護士がかっこよかったからというシンプルな理由です(笑)。

大学在学中に司法試験に合格し、なんとなく弁護士の道に進むことになりました。

だから、自分が本当に弁護士に向いているかどうかはわかりませんでした。

その後、ある企業(ラジオでは企業名を言っています)の法務部門で勤務することになり、企業内で法律がどれほど重要な役割を果たすかを目の当たりにしました。

この経験が、現在の企業法務弁護士としての基盤となっています。

3. ニューヨーク州司法試験に挑戦し、アメリカで得たもの

私のキャリアに大きな転機となったのは、アメリカのペンシルベニア大学ロー・スクールに留学した時です。

アメリカでの生活や勉強では、英語の壁が大きな課題でした。

その後ニューヨーク州の司法試験に合格し、600人以上の弁護士が過酷な競争が繰り広げていた大規模な法律事務所に勤めることになりました。

2年ほどの滞在を通して、アメリカの弁護士が法律だけではなくビジネスや経営に関する豊富な知識を持っていることに大きな刺激を受け、そして、また、アメリカの法律文化と日本の違いも学びました。

この経験がわたしの弁護士活動に多大な影響を与え、今に繋がっています。

アメリカで得た、ビジネスと法律を融合させる視点は、私の企業法務弁護士としての強みになっています。

対談では、TOEFLの準備や英語での授業、試験の苦労、アメリカでの法律事務所での衝撃を、振り返っています。

4. 企業法務弁護士

帰国して後、弁護士法人畑中鐵丸法律事務所を設立しました。

企業法務とは、企業活動と法律を橋渡しする役割を担う仕事です。

企業は利益を追求する存在であり、株主からのプレッシャーもあり、常に利益を上げ続けることが求められます。

法律や規制は、企業の自由な活動を妨げることが多く、企業にとってはこれが大きな障害となります。

企業は利益を上げたい、でも法律に従わないと罰則を受けたりトラブルに巻き込まれたりするリスクがあります。

他方で、法律を守り過ぎると今度は利益が落ち、競争力を失う可能性があります。

だからこそ、私たち弁護士がそのバランスを取る役割を果たしています。

弁護士がその間に入り、企業が法律を守りながら効率よくビジネスを進められるようサポートするんです。

5. 企業法務の領域

企業法務には、いくつかの重要な領域があります。

契約書の作成やリスク回避の助言を行う
「予防法務」
は、問題が起こる前にリスクを防ぐための対応です。

問題が発生した場合には、解決を図る
「紛争法務」
があります。

最近注目されているのが
「戦略法務」
という分野です。

戦略法務では、弁護士が企業の経営や意思決定に深く関わり、法律の視点から企業をサポートします。

以前は法律とビジネスが別々に検討されていましたが、今では弁護士がビジネスにも積極的に関与し、取引や経営戦略の構築を支援しています。

6. 企業の利益追求の中で、法律のサポートがいかに重要か

企業が直面するリスクには、労働問題や独占禁止法違反、知的財産権の管理など多岐にわたります。

また、企業間取引(BtoB)や消費者向け取引(BtoC)においても、独特の法的リスクがあります。

企業同士の取引では、価格調整が独占禁止法に抵触しないかを常にチェックする必要がありますし、消費者取引では消費者契約法に基づいた対応が求められます。

こうした多岐にわたる法律の網の目をくぐりながら、いかにして企業の成長を支えるかが、企業法務の奥深さであり、面白さでもあります。

7. 私のスタイル

私が弁護士として心がけているのは、単なる
「法律の専門家」
で終わらないことです。

クライアントのビジネスに深く関わり、最善の解決策を共に探る
「パートナー」
でありたいと考えています。

取締役会の意思決定に関与したり、経営戦略を法的にサポートすることで、クライアントが安心してビジネスを展開できる環境を整えることが、私の役割です。

弁護士として、ただ法律に従うだけでなく、クライアントが成長するための道筋を一緒に描いていくのが私のスタイルです。

https://audee.jp/voice/show/85101

インタビュイー:畑中鐵丸

00175_畑中鐵丸のFMラジオ番組の対談2_ 「Radio Leaders」(TOKYO FMグループ/MUSIC BIRD系列)2021年11月6日放送

畑中鐵丸が、2021年11月6日に放送されたFMラジオ番組
「Radio Leaders」(TOKYO FMグループ/MUSIC BIRD系列)
の対談に出演しました。

1.番組について

ラジオ番組「ラジオリーダーズ」は、
日本全国で活躍するリーダーたちをゲストに迎え、彼らの仕事や人生のターニングポイント、成功と苦労、仕事術などについて深掘りする内容です。

司会は池田めぐみさんです。

2. 留学とキャリアの転機

1998年にアメリカに留学してペンシルベニア大学ロースクールで学び、翌年、ニューヨーク州の司法試験にも合格しましたが、これはキャリアの大きな転機となりました。

英語での法律学習というハードルを乗り越え、ニューヨーク州司法試験に合格したことは、弁護士としての道を広げる大きな契機となり、私のプロフェッショナルとしての成長に寄与しました。

このときの苦労等についてお話しております。

3. 独立の経緯

帰国後、派遣元の法律事務所で執務を再開しましたが、事務所内での意見の対立や経営方針の違いなどから、心ならずも事務所を出ていくことになって別の事務所のパートナーとして自立・自営を余儀なくされ、その後も、紆余曲折の末、最終的には独立の道を選ぶこととになりました。

独立後は、弁護士法人畑中鐵丸法律事務所の代表として、主に企業法務を専門に活動を続けています。

対談では、このときの
「紆余曲折」
「すったもんだ」
の詳細をお話しております。

4. 企業法務弁護士という仕事について

「企業法務」
という仕事についてもお話しております。

法令遵守だけでなく、いかにしてビジネスのリスクを最小化し、利益を最大化するかに重点を置くアプローチを重視しております。

特に、企業が直面するトラブルには多くのパターンがあり、事前の予防策がどれだけ重要かを強調しています。

また、企業が法律を守ることの重要性を認識しつつも、現実にはそのバランスが難しいこともお話しております。

特に、組織的な利益追求が法令遵守と衝突する場合について、どのように法務スキルを駆使して最善の解決策を導くかが、弁護士の腕の見せどころであり、企業法務弁護士の強みとなるか、という点をお話しております。

5. ベンチャー企業へのアドバイス

対談では、特にベンチャー企業に対して、法務の重要性を強調しています。

ベンチャー企業は資金が限られ、人員も少ない中で事業を進めることが多いため、トラブルが発生すると一気に経営が危機に陥る可能性があります。

「多少、法律の遵守と緊張関係に立つような状況となっても、サバイバルやビジネスの成長を優先する、極めて過酷な状況に直面するのがベンチャー企業の現実」
と指摘しています。

そのため、ベンチャー企業には、リスク管理のための弁護士を身近に置き、問題が発生した際にすぐに相談できる体制を整えることを推奨しています。

また、ベンチャー企業がよく陥りがちな問題として、契約書の不備や法的リスクの見落としを挙げています。

特に、新規ビジネスにおいては、慣例や前例のない取引が多いため、法的リスクの分析が困難です。
このような状況で、法務のプロフェッショナルを早期かつ身近な存在として経営に取り込み、巻き込むことが、事業成功の鍵である、と強調しています。
弁護士との密接な連携によって、トラブル発生のリスクを事前に排除し、ビジネスをスムーズに進めることができると述べています。

6. 仕事への愛着

対談の中で、弁護士としての仕事に対する強い情熱と愛着を語っています。

「人の予算とリスクで知的なゲームを行う」
という弁護士の職業に魅力を感じており、日々常に新たな挑戦があるからこそ面白いと感じています。

また、企業が法律をうまく活用して成長していく姿をサポートできることに喜びを感じており、これが私のモチベーションの源泉になっています。

「企業法務は組織のダイナミズムを理解し、その動きを支えるための戦略的な法務が求められる」
と理解しており、この知的挑戦を日々行えることに喜びを感じています。

従来の法律家の枠を超え、ビジネスの現場に密接に関わるパートナーとしての役割を果たしていることもお話しております。

企業法務の実際をお話しておりますが、ビジネスに関する理想と現実のギャップを埋めるためのヒントがいくつかあると思います。

これからの起業家やビジネスパーソンにとっては少しはお役に立つことがあるかもしれません。

インタビュイー:畑中鐵丸